ISBN:4197800282 コミック どおくまんプロ 徳間書店 1995/03 ¥663
子供の頃こんな本があった。その名も怪人ヒイロ。その濃いキャラクターが当時子供だった私の心を掴んで放さなかった。最近懐かしくなって、この本を調べると、全19巻だが実は幻となっている20巻目があるらしいということが分かった。私が知っている最終話は載っていないのだろう。

最終話が載っていなく、強烈に印象に残っているのが、「ストップひばりくん!!」ハイセンスなギャグとおかまのひばりくんの魅力に私はハマッていた。青春漫画は死んだと血の涙を流すヤツを驚きながら見ているシーンでこの漫画は終了している(記憶が正しければだが)。

話を戻すと、自分の知っている記憶で勝手に思い込んだ最後の話は、ヒイロは100mで金メダルを目指すが、ケガをしてしまう。懸命のリハビリにより、オリンピックの舞台に立つ。そしてぶっちぎりの世界新(9秒65だったかなぁ・・・)。 この最後はセリフが無い手法を使っていて、またまた幼かった私に衝撃を与えた。すげぇきったない絵だったにも関わらず、涙してしまったことを思い出した。

スラムダンクでもこれを使った回があったと思うが、その時真っ先に思い浮かんだのがヒイロの顔だった。

最終巻が発表されていない今、この話は自分の中で美化され、これからも自分の中で生き続けていく。
週刊少年サンデーのMAJORの主人公がついに変化球を本格的に特訓する時がきたようだ。今まで何度か安易な思いつきで、変化球を投げたことはあったが、今回は雰囲気が違う。

で、どんな変化球を投げるのか考え始めてしまった・・・

フォークはどうか?
160kmを投げる彼が150kmのフォークを投げる。横浜の佐々木や野茂の全盛期以上の働きが出来そう。ただ、実際にメジャーでの成功実績があるので、漫画自体がつまらなくなる。

ではナックルはどうか?
彼のこれまでの性格からしてありえない。もしこの球種を選択したら、この漫画は終了するだろう。

では未知の変化球はどうか?
巨人の星の何番煎じだ?

・・チェンジアッだから魅力無いって。
・・スライダーは良いと思うがイマイチドラマ性を感じない。

結論としては「カーブ」だ。直球とカーブがあれば他の変化球はいらないを通した有名人といえば、江夏や江川。カーブって言っても同じ種類ではない。江夏のカーブはフォーク?って思わせるようなものも在ったらしい。一番有名な変化球で、日本の伝説のピッチャーが使いこなしたこの変化球こそこの主人公が投げるべき球ではないだろうか。

・・・本音はシュートを覚えて欲しい。シュートと言えば元巨人・中日の西本。彼のシュートは超一流だった。ストライクゾーンから右打者に当たる勢いで曲がって行くその球を打つ打者のバットは折れ、内野ゴロになる。ゲッツーを取れる球種なのだ。
攻めの球種であるシュートは、この主人公に合ってる球だと思うが・・

シュートといえば、タイトルで紹介した柳沢きみおの「男の自画像」である。昔シュートで鳴らしたこの主人公は肘を壊し投げられなくなった。しかし、彼は復活する。しばらくは活躍するが、ついに絶体絶命のピンチに陥る。そこで使ったのが、この禁断のシュート。

振りが長くなってしまったが、漫喫いったらお勧めしたい漫画である。
先日、同僚からこの本の存在を知らされた。スラムダンクの最終回、つまり桜木花道がリハビリをしているシーンがあったあの10日後のいう設定。それの一部が載っていた。廃校になった高校の黒板を使ったというイカしたイベンドだったらしい。

人気のある漫画は無理やり続けさせられる状態が普通であった。それをスッパリやめたこの作品を私は好きだ。それ以前に人気絶頂でやめた少年週刊ジャンプの漫画と言えば・・・遡る・・・遡る・・・遡る・・・きっと車田正美の「リングにかけろ」ではなかろうか。

久しぶりにスラムダンクに触れ、遠い目をしている私がいる。